化物語 第四巻 / なでこスネイク 【通常版】 [DVD]

化物語 第四巻 / なでこスネイク 【通常版】 [DVD]化物語 第四巻 / なでこスネイク 【通常版】 [DVD]
出演:神谷浩史 /花澤香菜
アニプレックス
発売日 2010-01-27




人を呪わば穴二つ、勧善懲悪、死刑 2009-10-15
私はこのなでこスネイクという話がよく分からなかった。というのは少し嘘で、何一つ分かりにくい話ではないので分かったし人並み以上に感じるものもあったのだが(そしてなでこが本作ダントツの可愛さという点でもケチのつけようがないのだが)自分の捕らえ方、感想が正解であるのか、何か歪んでいないどうかイマイチ自信が持てなかった。私は原作などは一切読んでいないのでそれによる誤解かもしれないし、そうでないかもしれない。ひとまず物語の解釈は様々でありうるだろうという事で正直に自分がこの話を見終えた時の感想をそのまま書いておきたい。



この話はこれまでの化物語ではなかったと思われる程の分かりやすい勧善懲悪ではないだろうか。私はねたばれを前提してレビューを書いているので結末まで書いてしまうが、この話では撫子が告白を蹴った男とその彼女の逆恨みによる蛇の呪いによって撫子がコロされかける。その呪いを解こうと努力した結果、蛇を完全に消滅させる事には成功せず一匹を取り逃がし、その蛇は持ち主をコロしにいってしまう。それで終わりである。(もしかしたら原作では別に死ぬわけではないとか、何か別の解決がとられたのかもしれない、その辺は私は知らない)重要なのは主人公が初め撫子をコロそうとしたハン人をすらも助けようとし、蛇と戦い、挙句自分の命を犠牲しそうにまでなっていたという事。それをギリギリの所で神原が止めた事で主人公は助かり、蛇は呪い主を呪いにいく。だが主人公はこれを悔やんでるようには見えなかった。逆に神原に感謝し、謝罪し、最後は「俺は間違っていた」とまで断じて、ありがとうと言う撫子に対しては「お前を呪った相手まで救おうとした俺なんかにありがとうなんかやめてくれ」という反応を示す。そしてこの物語の教訓は恐らく忍野も言っていた「人を呪わば穴二つ」人を呪えば自分も呪われるよ、人をコロそうとすれば自分も死ぬ事になるよ、というものと考えていい。そしてこの場合は単なる比喩ではなく、実際に呪い主はこの後呪われる事になるし撫子が死に掛けた事を考えれば死ぬ可能性も低くない。実際この物語は撫子を逆恨みしてコロそうとした子供がその悪行の当然の報いとして自分が死ぬ事になり、コロされかけた撫子は救われ主人公は最初はそんな呪い主すら救おうとしたが、最終的にはそんな呪い主を救おうなんて馬鹿げてる、そんな奴シねばいいんだみたいな結論に至ってめでたし、という話なのだ。…少なくとも私がTV放映時リアルタイムで見ていた時にはこのように見えたのだった。



私の語り口はこういった勧善懲悪、悪人は死んで当然というような教訓を批判してるかのように見えるかもしれない。だがそういう意図はない。むしろ私個人はこれでよかったと思う。最初から殺人未遂のハン人を救うために自分の命を危険にさらす事はない、なんで主人公はそんな事をするんだという念を持っていた。だが同時に本当にそれでいいのかなという念もなくはない。仮に私個人がそういう考えを持っていていいとしても、優しさを売りにしている(?)本作の主人公までもがここにきてある意味冷酷なそういう考えを断定的に採用してよかったのかなとも思う。少なくともこういった展開にいくらかの疑念や反感を覚える人はいてもおかしくない。(周りにはあまり見当たらなかったが)…このように色々な事を考えさせられた話だったが、その反面、二話完結という事もあって、かなりあっさり終ったという印象もある。基本的には私のように変に小難しい捉え方をするよりは、単に撫子の可愛さに身悶えしてるだけでも事足りるだろう。そういえば悪人をすら救おうとする最初の主人公に「人を呪わば穴二つ」という言葉を覚えておいてほしいと言うなど、主人公に比べてリアリスト的なある意味乾いた(?)ものの見方をする忍野の思考などは、さり気なしに日本で多数を占めている死刑存置論的論理を採用したものと思われ、こういった思考、ストーリーがすんなり通り、自然に受け入れられるという事がまた日本の死刑賛成派の多さを物語っているのではという気も…とはいえ念を押すように私はだから日本の人々は野蛮だなぁ忍野は野蛮だなぁと言うのではなく別にこれでいいと思うのだがただこういう…以下略。


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